2007/07/04 (Wed)

下鴨神社

京都市左京区下鴨宮崎町54

今でも30数年前の下宿先住所がスラスラと出てくるのが自分でも面白い。
友達から毎週のように届く手紙には、この宛名が蒼い細書きのパイロットで端正に書かれており、その文字を幾度となく眼で追った。

友禅絵付け職人さん宅の二階が僕の下宿だった。
河原町から葵橋経由植物園行き5番電車「糺の森」電停から西に入ったところがここの住所。
「ガラガラッ」と格子戸を開けると二間ほどの石畳があり、左に蹲(つくばい)、右におじさんの職場があり、京の町屋よろしく奥に長く広がっていた。
ちょっと足の悪い友禅職人のおじさんは、朝から晩までいつもこの部屋で色付けをしていた。
小太りのおばさんは、優しい人で「小野さ~ん電話ですよ~」と2階に声をかけて気安く電話を取り次いでくれた。
黒く重いダイヤル式の受話器の向こうから聞こえてくる声に一喜一憂したものだった。
それでも足りないときはレッドの大瓶に貯めた10円玉をジャラジャラとポケットに詰め込んで糺の森電停近くにある公衆電話ボックスに話しに行った。
この公衆電話は時々10円玉が一杯になりいくらでも話せる状態になった。

下宿の部屋は、2階に在る4部屋と一番広い六畳間をベニヤ板で仕切って二部屋にした合計6部屋で、最初ボクは仕切った部屋の奥のほうに下宿した。
隣に住んでいる京産大の一回上級の人が、新聞を読んでいるか辞書か漫画なのか紙質で聞き分けることが出来た。
1階にあるトイレは大家さんと共同で2階には洗面台が一つあるだけ。
ここで水を汲み電気ポットで湯を沸かしチキンラーメン主食の毎日だったがそれほど貧しいと思ったことは無かった。
仕送りが届いたときは奮発し隣の下鴨飯店でレバもやし定食と焼き餃子や洋食屋のらくろでトルコライスを奮発した。
風呂は二日に一回の割合で、近所の風呂屋に行った。
かぐや姫の神田川じゃないけど風呂桶を抱えて通い、石鹸箱が本当にカタカタ鳴った。このころは洗髪料金を別に支払った。
パチンコで勝つと風呂帰りに赤提灯で大根の炊いたのとゴボ天をあてに麦酒を一本飲むのがこの上ない贅沢だった。

続く
(もう少しスッキリした文章にせなあかんな)

学生時代



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c1734

いや、このままの調子で。
聞いていたい ^^
  • riri
  • 2007/07/04(Wed) 20:45:51
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c1735

私めも愛読者の一人です。(今なったばかりですが) ふんふん、それからどうなるんですか??
  • titi
  • 2007/07/04(Wed) 21:22:25
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c1736

電話の相手が気になるなぁ・・・
続きに期待です!
  • harasawa
  • 2007/07/04(Wed) 22:44:14
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c1737

ボク人生一番の「いっぺんしてみたかった」は下宿生活、石鹸カタカタの夕べでした。
「静寂のなんという饒舌なことでしょう」風に、なんという贅沢でしょう!

c1738

突然今朝、ミロのビーナスのこと書こうと思いついたのは、noriさんの京都を読んだからでした。ありがとう!
下鴨飯店の隣とは!!!!!!!(ヒミツ)

c1739

harasawaさんではありませんが、電話の相手が…
REDの中の10円玉って…長電話?
  • 日鷹
  • 2007/07/05(Thu) 16:29:10
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c1740

公衆電話が、10円でしか使えなかった時代ですか~?(w)
  • チカコ
  • 2007/07/05(Thu) 18:23:52
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c1745

☆ririさん、titiさん、harasawaさん

乞う御期待!!

☆NKさん

NKさんは自宅通学?
石鹸カタカタの上の電柱には裸電球ですよん^^
お役に立てたようで嬉しいです。
下鴨飯店ってメチャクチャコアな話題です。まさか、そ・そんな!

☆日高さん

曝露って石原真理子ぢゃないんですから~(*_*)

☆チカコさん

>公衆電話が、10円でしか使えなかった時代ですか~?(w)

知らない振りして~

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